市政の動き−議会報告
【21.02.13】生活保護について思う
生活保護について思う
1月28日の参議院予算委員会で日本共産党の小池晃議員の行った、生活保護を必要とする人が申請をためらう原因になっている扶養照会についての質疑で、田村厚生労働大臣が、3度も「扶養照会は義務ではない」と答弁した映像は衝撃だった。 申請者にとって扶養照会は大きな障害だ。家族同士がお互いの事情を把握できている関係であれば、扶養照会をためらう理由はないが、そういった家族ばかりではない。 長い期間連絡も取っていない家族や、また、過去に何らかのトラブルがあった家族に対し、今の自分の状況が否応なしに知られてしまう。喜んで扶養照会に応じる人はいない。
日本の生活保護の補足率(生活保護基準以下の世帯で、実際に生活保護を受給している世帯数の割合)は20%程度との調査がある。いくつものハードルで保護にたどり着けないのが現実だ。
財産に対しても厳しい制限があり、コロナ禍での一時的な困窮にも容赦ない。それなのに管首相は「最終的には生活保護がある」と言い放っている。
国民の苦しみを理解しない政権閣僚から引き出した「扶養照会は義務ではない」との答弁は、困窮者にどれだけ希望を与えたのか。
生活保護は生きるための権利という概念が市民に定着してほしいと強く思う。
(森下さち子)