市政の動き−議会報告
【24.09.08】生理用品を学校のトイレに
モデル事業では一定の評価
森下さちこ議員は、学校トイレの個室に生理用品の配置を求めてきました。
安城市では2022年度に安城西中学校をモデル校として、女子トイレの手洗い場に8個パックの生理用品をおきました。
森下議員は令和5年3月議会で、安城西中学校での事業について質問をしました。
「小パックごと持ち帰る生徒はほとんどおらず、多くの生徒は小パックの中から必要な分だけを取り出して利用していた」「持ってくることを忘れてしまったり、急に必要になったりした生徒にとっては、気兼ねなく手に取りやすい環境になった」と、一定の評価を示したうえで、「管理上の問題は起きていない」「生徒の立場になって精査し、今後の方針を検討していきたい」と答弁しました。
「要望がない」と答弁
ところが、生理用品の配置を求めた今議会での答弁では、モデル校事業の検証として「利用する児童生徒は少なく、その後の要望も無い」とし、「現在は、全ての小中学校において、保健室で養護教諭が手渡すこととしている」と答弁をしました。
実際には252人中103人の生徒が利用をしており、「要望がない」とは言えません。
「保健室に設置し、養護教諭が児童生徒に手渡すことにより、様々な悩みの相談のきっかけをつくることや、適切な指導につなげる」という方針を崩しませんでした。
「人を大切にする安城教育」?
刈谷市、みよし市では既に小中学校の個室トイレに配置されています。
安城市の教育現場では、生理用品がまるで先生と子どもをつなぐ唯一の手段のような答弁に、森下議員は「生理用品が生理のある女子児童生徒にとって、必要な衛生用品であるとの認識はあるのか」と質しました。
市は「必要な衛生用品であると認識している」としながら、「急な生理により、下着を汚してしまうことや、生理痛で体調を崩すこと、早退しなければならないことなどが生じた折に、養護教諭が適切に対応することで、衛生面に配慮し、安心して学校生活を送ることができることを大切にしている」と重ねてトイレに生理用品を配置することを否定しました。
包括的性教育とともに
「包括的性教育が求めている理念につながる教育を、学校における活動全体を通して進めている」と答弁をながら、国際セクシュアリティ教育ガイダンスに示された「月経中の女子が快適に過ごせるように、積極的で支援的な方策を示す」ことができない学校教育で、「人を大切にする安城教育」といえるのでしょうか。
複雑な時代に生きる子どもたちには、包括的性教育で性に関する正しい知識を教えるとともに、相談しやすい関係をつくり、生理用品をトイレに置く環境が必要です。