市政の動き−議会報告
【25.07.16】外国人は優遇されているのでしょうか
「日本人ファースト」を考える
「日本人ファースト」を掲げる政党が支持を大きく伸ばすとの報道もあります。そこで彼らの訴える「日本人ファースト」で、日本社会はゆたかになるのかを考えます。
外国人の流入制限すれば負担増
日本社会は少子高齢化が進み、社会保障制度の持続可能性自体が課題となっています。
日本に入ってくる外国人は、20代30代と現役世代が中心であり、年金制度や医療保険制度の支え手となっています。
厚労省は5年に一度、年金の財政検証を行っています。外国人が今後どれだけ日本に入ってくるのかにより、所得代替率(現役世代の手取り収入に対する年金支給額の比率)も試算しています。それによると、外国人の流入が少なくなると所得代替率が減少する結果が示されています。
医療保険では、国民健康保険加入者のうち外国人は4.0%、国民健康保険医療費のうち外国人の医療費は1.39%です。日本人と比べて、外国人は医療にかかる割合が少なくなっています。
「日本人ファースト」を掲げる政党は、各市町村の外国人を5%に制限する政策を打ち出しています。20代30代の若者の流入を制限することで、年金受給額も減り、保険料の負担が増えることになりかねません。
外国人への生活保護等の禁止は、国際人権規約違反
この政党は、外国人による医療保険制度の利用制限や、外国人への生活保護支給の停止を掲げています。
国際人権規約を批准している国はすべて、国籍や人種に関わらず、あらゆる権利を保障していくことを約束しています。
例えば、海外で活躍する日本人は約130万人(2024年)。日本人が滞在国の様々な社会保障制度を利用することは、各国の責任で保障されています。
同じように、日本に滞在する外国人が日本の社会保障制度を利用することは、外国人優遇ではなく、国際人権規約批准国として当然のことです。
医療保険料を納めているのに、国籍により利用制限を設けることは、保険の原理原則からも外れています。
彼らの言う「日本人」とは誰か?
「日本人ファースト」と掲げていますが、この政党の認める「日本人」とは誰のことでしょうか。
この政党の新日本国憲法(構想案)には、日本人とは「日本を大切にする心を有することを基準として法律で定める」としています。「日本を大切にする心」については、「規範的要件だが、我が国に対する害意がないことをもって足りると解すべきである」と解説されています。「我が国に対する害意がないこと」は、誰がどの基準で判断をするのか明確ではありません。
戦前の日本では戦争反対と言えば「非国民」とされました。時の権力の価値観により、害意の有る無しが決められる、極めて恣意的な運用が可能となっています。
彼らの憲法草案には「日本は天皇のしらす君民一体の国家である」「天皇は国民の幸せを祈る神聖な存在として侵してはならない」と書いてあります。歴史を振り返り「大日本帝国憲法」のような国を大切と思える人だけが、「日本人ファースト」の「日本人」になるのではないでしょうか。
また、「日本人」にファーストをつけることで、他の民族や人種を排除する排外主義的な意味に受け取ることができます。排外主義は、確実に差別と分断を生み出します。
この国の国民生活が苦しいのは、外国人のせいではなく、財界ファーストとアメリカファーストのゆがんだ政治が原因です。
このふたつのゆがみを正さないことには、国民生活の改善にはつながりません。

