市政の動き−議会報告

【25.08.10】支え合いソーシャルワーカーが伴走支援

健康福祉常任委員会が金沢市を視察

 地域共生社会の実現を目指すため「属性を問わない相談支援」「参加支援」「地域づくりに向けた支援」を一体的に実施する「重層的支援体制整備事業」が、今年度から安城市でも始まりました。安城市議会健康福祉常任委員会は、2021(令和3)年度より先進的に事業を始めた石川県金沢市を視察しました。森下さちこ議員も委員の一員として参加しました。

善隣思想が根付くもコミュニティー希薄化

   金沢市は昔から善隣思想(助け合いの心で、近隣の人々と心を通わせ、支え合い、お互いに善き隣人を作っていくという考え方)が根付いているものの、地域コミュニティーの希薄化が進んでいます。
 重層的支援体制整備事業は既存の支援機関や専門職の負担を軽減しながら、地域の支援力を引き上げ、効率的に住民を支援していくための事業です。金沢市では社会福祉協議会が全面的に担っています。
 高齢者、障がい者、生活困窮者、子育て世帯など、複雑な困りごとを抱える人に寄り添いながら伴走するため、「支え合いソーシャルワーカー」が8人配置されています。

潜在的相談者にも積極的に働きかける支援体制

   支え合いソーシャルワーカーは、単独の支援機関では対応が難しい複雑化・複合化したケースの調整役を担い、支援機関の役割分担や支援プランの作成を行います。
 また、行政、相談支援機関、社協、民生委員などとのつながりの中から、潜在的な相談者を見つけ、アプローチすることが困難な場合でも、各機関と連携し、潜在的相談者へ情報を届けるなど積極的に働きかけています。
 相談者の抱える課題を丁寧に分析し支援プランを作成し、就労支援、居住支援、学習支援などにつなぎ、相談者と受け入れ先の間の環境整備を行っています。
 相談者自身が問題を抱えていることに気が付いていない事例もあり、外部の人間を受け入れない場合もあります。そうした場合にも、支援会議で情報の共有や、支援方針の検討をしつつ、時間をかけて信頼関係を築き、各関係機関との連携を深め、長期間に渡り支援を続けていく体制を整備しています。

安城でも重層的支援体制の充実を

 安城市は、重層的支援体制整備事業のうち個別支援は市の社会福祉課が中心となり、地域づくりは社協が担っています。
 市にも社協にも、長期的に相談者の支援に関わっていく支え合いソーシャルワーカーの配置はされていません。市民が問題を抱えた時、気軽に相談ができる体制があると安心ですし、相談後、継続的に相談支援ができる支え合いソーシャルワーカーのような人的配置は必要です。
 デジタル化が進む社会では、相談支援の技術を持った職員の重要性は増していきます。
 福祉に携わる人材の確保、育てる環境整備を進め、支え合いソーシャルワーカーの配置、問題が絡み合う前に安心して相談できる場所や、絡み合った後でも一元的に相談できる場所を安城市でも整備し、重層的支援体制の充実を図っていくことが必要です。

送迎車両で買い物・交流支援

   金沢市の面積は、安城市の5倍以上。今回の視察で、山間部にある三谷地区を管轄する森本地区社協が取り組む「お出かけサロン」の紹介もありました。

 三谷地区に住む75才以上の高齢者は約330人。徒歩圏内にスーパーがなく、買い物は家族に頼る高齢者が多くいます。
 森本地区社協は、外出して自ら商品を選びたいという高齢者の声に応え、住民ボランティアが運転する福祉施設の車両で、地域内の集合場所からイオン金沢店まで送迎を行い、買い物と利用者同士の交流支援の取り組みを行っています(居住地別に4ルートあり、ルートごとに月1回の運行)。
 利用料は無料です。
 
 送迎に利用する車両は、地区内にある救護施設や障がい者支援施設の所有車で、「地域貢献の一環として役立ててほしい」と、施設利用者の送迎のない時に、無償で貸し出されています。送迎に必要なガソリン代や車両保険(施設の任意保険に上乗せ)は地区社協が負担しています。

 安城市でも、買い物に困る高齢者に対し、ボランティアの運転する送迎車による外出支援サービスが5地域(篠目町、福釜町、別郷地区、古井町、他)で始まっています。
 今年度より市から保険料に対する補助が出ていますが、車両はボランティアの提供によるものです。
 安城市でも地域の社会福祉施設等の貸し出しがあると、ボランティアの負担が減るのではないでしょうか。

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